一般的に、英語を習うなら早いほうが良いとは言われますが、具体的には何歳くらいから英語を習えば良いのでしょうか?
例えば、生まれて数か月の0歳から英語を習うことができる英会話教室もありますが、0歳から英語を習わせることが良いとする明確な根拠は見当たりません。生まれたばかりということを考えると、むしろ英語よりも大切なことが多々あるのではないでしょうか?
では、1歳はどうでしょう?1歳になると、多くの子供はたくさんの単語を覚え始めるようになります。その意味では、1歳から英語に触れさせることも有効かもしれません。
2・3歳になると、さらに爆発的に単語を覚えるようになります。英語耳や英語脳も育ち始める時期と言われるため、英語を習い始めるには良い時期かもしれません。ちなみに英語耳が育つ臨界年齢は7歳ごろ、英語脳が育つ臨界年齢は9歳ごろと言われているため、2・3歳から英語を習い始めれば、英語耳・英語脳の育成期間が長くなり理想的です。
一方、言語学者レネバーグの仮説によると、人は11~13歳を過ぎると自然な外国語の習得が難しくなるとされています。この仮説を正しいと考えれば、英語耳・英語脳の育成期間を合わせて、「2・3歳ごろから9・10歳ごろまでが、もっとも英語を吸収する」と判断できます。
英語を習うならば2・3歳ごろから始めるのが理想的。これが、現在のところの結論となるでしょう。
耳や脳の育成という観点から見れば、2・3歳から英語を習い始めることが理想です。ただし、まだ精神的に幼い子供であることも考慮し、親は細やかに注意を払いつつ子供へ英語を習わせる必要があります。
まだ2・3歳であることを考えると、子供が自分から「英語を習いたい」と言ったわけではないでしょう。多くの場合、親が「英語を習わせたい」と思い、英会話教室へ入会させる経緯と考えられます。
つまり、子供が英会話教室へ通うのは、親の意志であり親の希望です。その意志や希望が強すぎるあまり、つい子供へ無理をさせたくなることもありますが、無理をさせ過ぎて英語嫌いになったら本末転倒。「英会話教室が楽しい」「英語をもっと覚えたい」という子供の気持ちを維持できるよう、無理をさせるのではなく、やさしく見守る姿勢で子供の英語学習をサポートしていきましょう。
早い段階から英語を習わせるのが良いとは言え、早い段階から英語を習わせても、すぐに結果が出るわけではない点を親は理解しましょう。
子供が英語を吸収するスピードは早いと聞くと、親は「1年後、2年後には日常会話くらいペラペラになっているのでは?」と期待するかもしれませんが、そもそも日本語もままならない2・3歳の子供が、より多く使っている日本語を差し置いて英語だけペラペラになることはありません。
「今はゆっくりと英語耳・英語脳が養われている時期」と考え、親は過剰な期待をせず長い目で子供を見守りましょう。「子供に英語を覚えさせる」という姿勢ではなく、「子供と一緒に英語を楽しむ」という程度の接し方にしましょう。