上野動物園や上野公園などもあり、もともと観光地としての側面もあった上野ですが、近年、上野には外国人観光客の数が急増。上野に脈々と流れる文化そのものが観光の対象となりつつあるなど、上野は「まるごと観光の街」として外国人から大変人気です。 上野に外国人が多くなった主なきっかけ、背景などを考察してみました。
かつては「東北・上越の玄関口」として賑わいを見せていた上野でしたが、東北・上越新幹線のターミナルが東京駅になったことから、人流を「東京駅に持っていかれた」形となった上野。しかしながら2015年3月、上野東京ラインの開通で東海道線が乗り入れる形となり、神奈川県方面に住む人たちが多く上野を訪れるきっかけとなりました。 都道府県別の在留外国人の人数では、神奈川県は全国4位となる約25万人(2022年度)。神奈川県は外国人が多く住むエリアなので、上野東京ラインの開通がきっかけで、観光資源の多い上野の地を訪れる在留外国人が増えたようです。 また、上野は空の玄関口である羽田空港や成田空港からのアクセスも良好。公共交通機関を利用しても、羽田空港から上野まで40分ほど、成田空港から上野まで1時間ほどで到着します。長い移動距離に慣れている外国人観光客にとって、空港から上野までのアクセスは大変良好と感じられることでしょう。
寛永寺をはじめ、江戸時代から続く歴史的建造物や文化的施設が数多く点在する上野エリア。名所旧跡の多いエリアであることを背景に、早くも明治時代には、上野は観光地としての側面を見せていたと伝えられます。 観光地として、より多くの観光客を呼び込むため、古くから様々なイベントを開催。その伝統が現在にも引き継がれ、上野では、新旧織り交ぜた多様なイベントが年中どこかで開催しています。これら日本文化を肌で感じられるイベントは、外国人観光客にとって大変魅力的。外国人向けの日本観光案内等にも掲載されることから、現在では多くの外国人が上野に訪れるようになりました。
近年はイベントに訪れる観光客に向けて、警察や消防、民間が協力のもとマナーを伝える活動も行っているとのこと。心地よくイベントを楽しめる環境作りが進められていることから、今後はますます外国人が増えていくかもしれません。
同じ台東区内には、外国人観光客から大変人気を集めている浅草寺があります。 多くの方がイメージする通り、浅草周辺は、浅草寺を中心とした独特の文化的な香りが漂う街。一方で上野は、浅草が持つその独特の文化的な香りに対抗意識を持つ形で、あえて違った文化を醸成してきた街と言われています。
例えば、多くの観光客にとって、浅草には歌舞伎などの伝統芸能を重んじる文化というイメージが定着しています。上野にも伝統的・歴史的な文化はたくさん残っていますが、あえてそれらを強くアピールして浅草と被らせるのではなく、逆に「新しいもの好き」であることをアピールして浅草との違いを人々に訴えるのが、上野のやり方です。
世界的に有名な観光地・浅草に対抗することで、外国人観光客も注目する独自の雰囲気が醸成されたこと。これが、上野に外国人が集まるようになった背景にあるのではと推察されます。
上野には、外国人が増える理由がたくさんあったのですね。英会話教室もあるので、英語を学びながら外国人と話す機会にも恵まれるかもしれません。是非検討してみてはどうでしょうか。